流星ラジオ


***


小さな箱を抱えて、羽美は駆け足で海月の所へ向かう。

見慣れた広い背中を見つけ、彼女は勢いよく飛びついた。


「海月ぃっ!」

「うわ、羽美?」

海月が目を丸くして振り返る。

「見て見て、砂名からプレゼントもらっちゃった!」


その年に砂名がくれたのは、羽美が前から好きだと言っていたキャラクターのハンカチだった。

キャラクター物になんてまったく興味のない砂名がそれを選んでくれたことが、うれしい。

「羽美は本当に砂名のことが大好きだね」

「だって中学校からの親友だもん!
毎日洗って毎日使おうかな。あ、そしたらボロボロになっちゃうかな…」


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