流星ラジオ
羽美は活字を見ることが得意ではない。
本は教科書だけで十分だと思っている。
それを配慮したうえで、彼は文字の少ないこの写真集を選んでくれたのだろう。
そう思うと羽美の心の中まで、星空のようにキラキラしたもので埋められていくような気がした。
「海月。あの、その、ありがとう!」
「気に入ってくれた?」
「うん!」
大きく頷いてみせると、海月はふにゃっと表情を緩めた。
その顔をもっと見ていたくて、羽美は喜びを全身で表現する。
もっともっと、海月が笑ってくれるように。
彼が羽美の気遣いに気付くのに、さほど時間はかからなかった。
「…羽美は、本当にすごいよ」
「え?」