流星ラジオ


***


それは一緒に住み始めてすぐのことだった。

「あれ、そういえば海月って何が好きなの?」

同棲を始めてからようやく、羽美は海月のことを何も知らなかったのではないかと思い始める。

訊かれた当の本人はあぐらをかいて天井を見上げ、ぼぅっと遠くを眺めた後にようやく呟いた。


「…シチュー」

「シチュー?」

海月がこくんと頷く。

「カレーより優しい味がして、好きなんだ」


実に海月らしい理由だな、とは思った。
もっと凝ったものを挙げるのかと思っていた羽美は、内心ホッとする。


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