流星ラジオ
そうして約束の時間。
布団からのそりと起き上がった羽美は、家族に見つからないように細心の注意を払って家を出た。
公園に着くともう海月は待っていた。
寝ぐせのついている柔らかな茶髪も、こちらに向かって手を振るその笑顔も、すべてが愛しい。
大切だ。
とても、とても。
「ちゃんと来たんだ、偉い偉い」
言いながら頭をなでるものだから、羽美は少しだけムッと口をとがらせる。
それを見た海月が、羽美に顔を近づけてそっとささやいた。
「ごめんね」
ずるい。
それだけでもう何だって許せてしまう。