流星ラジオ
ベンチに座る彼の隣に、羽美も腰を下ろす。
「羽美。上見て」
言われた通り上を見上げると、そこには眩いばかりの星空があった。
「ここは街灯も少ないし、星がよく見えるんだ」
彼が星を指差しながらひとつひとつ説明をする。
けれど彼女は、星の説明よりも彼の横顔に夢中だった。
いつも優しく目を細めて笑う海月が、小さな子供のように声を弾ませて話している。
そこには普段の冷静さや大人っぽさはなかった。
そんな彼も、とても魅力的だった。
あの時の彼の話で覚えていることと言えば…。
「みんなもったいないことをするよね」
澄んだ声で彼が呟く。
彼女には彼の言わんとすることがよくわからなかった。
首を傾げる彼女に、彼が続ける。