流星ラジオ


どうして君はいないんだろう。
どうして私は待ち続けているんだろう。


もしかしたら彼を待つことは、とても無意味なことなんじゃないか。

一番考えたくなくて、けれど何度も考えそうになっていた思考の蓋が開いてしまう。


もう5年も待っているのに、連絡のひとつもない。

私の誕生日になっても帰って来てくれない。


寂しいよ、寂しいんだよ。

当たり前だった君の温もりが側にないこと。
その温もりが消えていってしまいそうなこと。


耳にかけたラジオのイヤホンから聞こえる砂嵐は鳴りやまない。
それだけが彼女の心の支えだった。


けれどこんなにも不確かで曖昧な繋がりは、すぐにでも途切れてしまいそうで。


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