流星ラジオ
写真という最も鮮明な思い出を残すことがエゴであることはわかっていた。
俺がいなくなっても幸せになってほしい。
だけどいつまでも俺のことを覚えていてほしい。
できることなら待っていてほしい。
なんて自分勝手なんだろう。
彼女を守ることも、できないくせに。
そんなぐちゃぐちゃの想いを織り交ぜて綴った手紙は、少しだけ文字が震えていた。
それを眠る羽美の横に置き、彼は部屋を出ていく。
「さよなら、羽美」
次に帰ってきた時、ここにいるのは誰だろう。
彼女と他の男だろうか。
想像するだけで胸が痛み、こぼれそうになった涙は冷たい北風が乾かしてくれた。