流星ラジオ

「今から帰ろうと思う。帰って、大好きだっていっぱい伝えたい」

しばしの沈黙の後、彼女が呟く。

「私、羽美が大事よ」

「うん」

「だから羽美を傷つけた海月が許せない」

「うん」

「絶対、絶対、許さない…！」


強気な彼女の声が少しずつ震えていくのが、聞くに堪えない。

それだけのことを、自分はやったのだ。

「5年経っても、羽美はまだあんたを待ってる。あんたがいなくなってから選べる道はたくさんあったのに、羽美は海月しか選ばなかった」


待っていてくれればいいと思っていた。

けれどそれはほとんど幻想に近いもので。


まさか本当に5年も待っていてくれるなんて、思っていなかった。

羽美の想いを疑っていた自分に吐き気がする。


消えてなくなってしまえばいいとさえ思った。