流星ラジオ
「このペンダント、すごく気に入ってるよ。ありがとう!」
子犬のようにころころ笑う彼女。
やっぱり羽美はこっちの表情の方がよく似合う。
あんな憂いを帯びた表情なんて、彼女らしくない。
「よかったわ、気に入ってもらえて」
部屋の中を見渡して驚く。
この前とは比べ物にならないほど、彼の物が溢れていた。
そんな砂名を見て、羽美が苦笑する。
「散らかったでしょ」
「散らかったっていうよりは…。海月の物が、増えたわね」
「うん。これが5年前の景色だよ」
そうか、彼がいた時はこれが普通だったのだ。
どうやら彼らが普通に慣れるには、まだまだ時間がかかりそうだ。