流星ラジオ
その微笑みはまだ子供のあどけなさを残していて、陽だまりのように輝いている。
羽美は砂名の耳元に唇を寄せてささやく。
小さな子供が内緒話をするように、密やかに。
「海月と砂名がいてくれるから、幸せなの」
その言葉に、彼女は目を見開く。
彼女に必要なものは海月だけだと思っていたから。
あの電話の時のようにまた涙腺が緩んで、しかし寸での所で押し留まった。
今日も砂浜は去りゆく波を見送るだろう。
けれどそれはきっと、自分の所に帰って来てくれる。
彼女だって、そうなのだ。
今日も砂浜は、寄せる波に寄り添って。
いつまでもそこに在り続ける。
「ありがとう、羽美」
end.