月物語 ~黒き者たちの宴~
闇は消えている。
─夢?
「どうなさりました!」
飛び込んだ衛兵は、何ともない状況に立ち尽くした。
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「光燐笑い過ぎよ。」
彩夏が光燐に視線を送ると、ぴたりと笑うのを止めた。
素知らぬ顔で他の侍女たちと、せっせと朝議用の身支度を整える。
「本当に、笑い事じゃないんだってば。
あたしの夢は、結構当たるのよ。」
「夢見の力ですか?」
「まぁ、そんなとこ。」