月物語 ~黒き者たちの宴~
それは事実だ。
礼の夢は、警告のようなものを見せる。
小さい頃は、それがとても怖かった。
警告が、いちいち恐怖の夢なのだ。
礼はそれを「思いがする」と呼んでいる。
「しばらく見ることはなかったんだけど。
あればっかりは、私もなれないわ。」
本当に久々だと、礼は溜め息をつく。
「主上、そういうことでしたら、劉太常に相談されてみては?」
先日はさも気にしていなかった彩夏だが、不安げな表情になる。