月物語 ~黒き者たちの宴~
東苑との勉強の時間を逃げ出して、雉院を訪れたりもした。
その方が、ためになると考えたからだ。
だが、朝議にだけは出ている。
朝議には礼はいらない。
王がいればよい。
王の承諾が必要だからだ。
礼には、それ以上もそれ以下も役割はない。
それでも、平当にはこと如く反論してみせた。
他の者などどうでもよい。
みな同じだからだ。
誰も叱らない。
叱れない。
彩夏も光燐も、礼に賛同するだけだ。
ただ、光燐は礼が雉院に親しみを持つことを嫌がった。
それも、はっきりと申すことはしないが。