月物語 ~黒き者たちの宴~



―キラキラの王子さ様あぁ!?



とは、口に出さなかったが、心で思いっきり叫んだ。



「もっ、もしや、あなた光燐に命じられたの?」



『花』はきょとんとなる。



―違うのか?



「さぁ?
それは。
華官は御史に属しておりますから、御史の高官がお決めになられたかと。」



そうであっても、それを頼んだのは絶対に光燐だと、礼は確信した。



そう。



彼は、まさに先日光燐と話した『礼の好み』の男性であった。



『花』は、楽しそうにお茶を入れている。



「主上、今日の花茶は、私のとっておきの…」



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