月物語 ~黒き者たちの宴~
「我が君!!!」
陽春が、勢いよく入ってきた。
今日は彩夏が来る日だったはずだ。
陽春は泣いていた。
イケメンが泣いていると、何だか間抜けだ。
「ちょっと、何泣いてんのよ。」
呆れながら涙を拭ってやると、「もったいない」と止められた。
「で、なんでお茶入れに来なかったの?」
「上から、好みでないならと、外されました…」
しょぼーんという音が、聞こえてきそうだ。
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