月物語 ~黒き者たちの宴~
―4―
礼は、劉太常の元を訪れていた。
目的は二つ。
月の力について学ぶためと、劉太常を探るため、である。
今宵から月は欠け始める。
そうなると半月後には確実に何かが起こる。
それが何なのか今は見当もつかない。
だが、迂闊に誰彼構わず相談できることもできない。
情報は自分で手に入れて、自分で考える。
『次の新月に、事は起こる。
それまで、劉太常には気をつけて。』
飛燕の言葉を理解するには、彼と接触するのが一番だと考えた。