月物語 ~黒き者たちの宴~
「月は、天の力を示します。
天の力を最も受けるのが、王と四神でございます。
天の力は、謂わば運のようなものです。
強ければ強いほど、その時に成した物事は上手くいき、それは国を豊かにするのでございます。」
「でもそれって、おかしいわ。
満月以外には動けないじゃない。
もし、新月にどうしてもやらなきゃならないことがあったらどうするの?」
「まさしくそれが、王の力量なのでございます。」
礼は、何だかはぐらかされたような気がした。
「ところで、夢の方はいかがですか?
獣など出ておりませぬか?」
「そっちの方は大分落ち着いたから。」
「そうですか。」