月物語 ~黒き者たちの宴~
「で、居場所が分かったと?」
「ああ。どこにいたと思う?」
「もったいぶるんじゃない!
急を要するんだぞ!」
「わかってるって。
こんだけ国中探したのによー、ここにいたんだよね―。
まったく舐めてるってか、大穴ってか。」
劉向の目が点になる。
「し・か・も。
俺の管轄、清罪宮ー。
マジぶったまげた。」
「なっなっなんじゃと!?
それで、祝融様は!」
飄々としていた獅子が、顔を曇らす。