月物語 ~黒き者たちの宴~



「俺じゃ手だしできね―とこいた。」



「何?」



「まさか、黄大司が…」



「あー、それは白ね。
上司庇ってんじゃないよ。
多分、てか絶対知んねーから。
だって俺も忍び込んで見つけたもん。」



「忍びこむ?
ここで?」



劉向は、怪訝な顔つきになる。



「動けねーんだよ。
ほら、清罪宮でもうちの管轄じゃないとこ、あるっしょ?」



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