月物語 ~黒き者たちの宴~



―何だろ?この違和感。



夜になると、空に乗じて不安になる。



それはただの直感でしかない。



陽春が礼の手に触れた。



愛しむように、頬を寄せる。



礼は、悲しみが流れてくるのを感じた。



安心させようとする彼の行為は、逆に礼を不安にさせた。



彼もいなくなるのではないか、と。



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