月物語 ~黒き者たちの宴~


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―――新月まで残り三日。



陽春の死から、礼は朝議の部屋しか行き来していない。



もちろん、雉雀のもとへも通っていない。



東苑との勉強がいつもより早く切り上げられた。



最近はそんな気分ではなかったから、丁度よかった。



だが、今までこんなことは一度もなかった。



礼がすっぽかしたことはあったが。



大事な用があるらしい。



もちろん、詮索はしていない。



なぜならば、これは絶好の機会だからだ。



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