月物語 ~黒き者たちの宴~
光燐が、礼に視線を送ってくる。
―そうか!
「迷子になるところであった。
案内いたせ。」
光燐の手に乗った。
「左様でございましたか。」
衛兵のもとを離れると、急いで東苑の行った方へかけた。
「光燐、助かったわ。」
「さすがです、主上。
お見事でした。」
―光燐め、なかなかやる。
「でもなぜわかったの?
私がしようとしてること。」
「私も、目的は同じです。」
光燐の目が本気だった。