月物語 ~黒き者たちの宴~
『劉太常に、抑えられていました。』
―やはり。
『明日、清罪宮の牢へ。』
「牢?
何でまた。」
『祝融様がいらっしゃいます。』
「なんですって!
それなら今すぐ―――」
『いいえ。
ことは新月。
その日しかありません。
それまで決して動かないで。』
「わっわかったわ。
けど、どうやって牢へ?
一度清罪宮へは行ったけれど、あそこは警備が厳しそうだったわよ。」
『大丈夫。
全て上手くいくから。
きっと、たくさんの人があなたを助けてくれる。
だから…』