月物語 ~黒き者たちの宴~



重たい金属音を鳴らしながら扉が開いた。



「中へ。」



恐怖心がないわけではないが、足が勝手に進んだ。



「誰?」



一つの鉄格子の中に、人が入っていた。



いや、人ではない。



『祝融様です。』



飛燕が答えた。



―えっ?



「すっ朱雀なの!」



礼は鉄格子を叩いた。



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