月物語 ~黒き者たちの宴~


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一方中では、雉院が勝ち誇ったように礼を見下ろしていた。



「始めるとしよう」



宋春が予め用意していた陣へ礼を運ぶ。



「ついにこの日が来た。」



宋春が運んだのを確認すると、下がらせた。



外から扉にぶつかる音がするが、気にする風でもなく、雉院は呪文を唱え始める。



――――ホワァァァ――――



礼の身体が光に包まれていく。



身体から光の玉が出てきた。



それは、礼の『魂』だった。



身体から礼の魂を取り出したのだ。



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