月物語 ~黒き者たちの宴~
暫く浮遊した魂は、シャボン玉のように弾けて消えてしまった。
雉院はにやりと笑うと、自分も陣の中へと入った。
雉院の魂が身体から抜け、身体は崩れるように倒れた。
そのまま雉院の魂は、礼の身体に入っていく。
すると、少しずつ光が収まって、何もなかったような静けさが戻って来た。
転がった礼の指先がぴくりと動く。
宋春が礼に駆け寄った。
宋春は礼の身体を支えながら、ゆっくりと起き上がらせる。
雉院が目覚めた。