月物語 ~黒き者たちの宴~



「おっ、おっ、俺も交ぜろ!」



― ………。
― ………。
― ………。



「俺は、父を失った。
蒙兄さんも。
俺は…
俺は、祝融を、張兄を、今度こそ守りたい。」



そう告げる青年の目が真剣だったから、獅子はやれやれと頭をかいた。



「わかった。
だが、お前は一つ勘違いをしている。」



「何?」



「俺たちが守るのは、お前の家族じゃねー。
俺たちが守るのは、この国だ。」





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