月物語 ~黒き者たちの宴~
いつの間にか、鰯はいなくなっていた。
少女が椅子を引いてくれたので、その席に着いた。
先ほどの女性は位の高い人なのであろう。
内装は、やはり豪華なものだった。
棚や屏風、テーブルまで、細やかな装飾が施されている。
今度は別の少女がお茶を入れてくれた。
美味しそうな湯気を立てている。
「お疲れになったでしょう。
どうぞ、お召し上がりください。」
食べるのが勿体無いくらい可愛らしい、砂糖菓子も出された。
お茶を飲んでいたところで、先ほどの女が入って来た。