月物語 ~黒き者たちの宴~



「つっ、疲れたー。
まさか人に体を洗ってもらう日が来るなんて。」



鏡台に座ると足を放り投げた。



お姫様気分が味わえるかもしれないとわくわくしたが、意外と窮屈なものだ。



食事も出されたが、あまり味わう余裕がなかった。



礼が食べ終わるまで、三人はずっと見ているのだ。



食べ辛いこと、この上ない。



食事が終わると、やっと一人になれた。



鏡には素顔の自分が映っている。


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