ふたりの恋
劣等感
《歴代の女》
《エロエロな女か、ギャルギャルな女》
山井くんの言葉があたしの頭をぐるぐる回る。
京真は今まで何人の女の子と付き合ってきたんだろ?
みんな・・・あたしと正反対のタイプじゃん・・・
そうだよね・・京真みたいな子があたしみたいな普通な女の子と・・なんて有り得ないよね。
エロエロで、ギャルギャルな子がいいとは思わないけど、でも、今のあたしよりはいいかもしれない・・・
なんだか、自分が恥ずかしい・・・
「恭介、うっせーよ!余計な事言うな」
京真はそんなあたしの気持ちに感づいたのかそう言った。
「変な意味じゃなくてさぁ。リサっちは、なんて言うか・・ナチュラル派っていうか・・。」
山井くんがおろおろしながらフォロー・・。
「い・・いいの!!あたし、そんなに恋愛とかした経験ないから、自分に気を遣うとかできてなくて・・・だから・・・地味っていうか・・」
はぁ・・自分で言ってて情けなくなるよ・・・
「おっすーー♪なんだ?京真も恭介もきてたんだ?」
「あれ?ホントじゃん♪てっきり、京真は女んトコかと思った♪」
三人が気まずい雰囲気の中、京真の友達らしき子が二人店に入ってきた。
「ケンタ!!ヒロト!!」
山井くんは、助かったぁ~と言う感じに二人に近づいた。
その二人があたしの存在に気付いて、驚いたような顔であたしを指差す。
「あれぇ?この子もしかして・・・リサっち?」
「マジ?京真。」
あたしは俯いてしまう。
京真の友達に恥ずかしくて顔を上げられない・・・
「そう。コイツがりさ」
京真はその二人にも普通にあたしを紹介した。
「へぇ~♪」
二人はあたしに近づいて、あたしの顔を覗きこんだ。