ふたりの恋
「おい、ヒロト・・どういうつもりだ?」
トイレから戻った京真がヒロトくんの真ん前に立つ。
「け、・・京真!!」
あたしは京真に向かって目で助けてと訴える。
「ちぇっ!せっかく遊んでたのに・・」
ヒロトくんはあたしをおろしながら、わざと膨れて見せた。
京真はドサっとソファー席に座る。
「あのなぁ、りさ、お前ももう少し抵抗しろよ・・」
「はい・・・」
「もうりさはココに来い」
京真はそう言うと、自分の膝の上を指差した。
・・・は?・・・
ぽかんとするあたし・・・
「早くしろ」・・急かす京真。
「えっと・・どゆこと・・ですか?」
京真は、はぁーーーーっと深いため息をついてあたしの腰を掴んだ。
「放し飼いにするとあぶねぇから、お前はココ」
あたしを膝の上に乗せて後ろからあたしのお腹に手を回す。
な、なんなの?!
山井くんも、ケンタくんもヒロトくんも、クククッと笑う。
「ちょ、ちょっと!!京真、普通に座りたい・・です」
「だーめ」
そう言いながらテーブルの上にあるメニューに目を通す。
・・・恥ずかしい・・・
こんな事・・・恥ずかしすぎる・・・
京真はこういうの慣れてるかもしれないけど・・・
あたしには刺激が強すぎる。