ふたりの恋
「おーーーい♪京真たち♪来たよ~」
今度は甘い声が聞こえてきた。
ケンタくんやヒロトくんは、「おぉ!!来たか♪」とちょっと嬉しそう。
あたしは京真の膝の上に乗ったままだったから、その声の先に顔を向ける事が出来なかったけど、
多分・・・京真の《歴代の女の子たち》と同じ系統の子たちだと思う。
つまりは・・あたしと正反対の子たち・・・
「あれぇ?!京真・・・誰それ??」
・・・その驚きようは、あきらかに・・・あたしの事だろうなぁ・・・。
「あぁ?誰でもいいじゃん?」
京真は面倒くさそうに答えた。
「・・・もしかして・・京真の新しい彼女とか?!」
あたしは、その言葉にピクっとした。
あたしなんかを《彼女》だなんて言ったら、京真が笑われちゃう・・・
でも・・・《彼女》って言葉を期待しちゃってたりするし・・・
京真・・・なんて言うの??
京真をチラっと見ると、京真は視線を落として小さくため息をついた。
やっぱり、京真が笑われるのは気の毒だし・・・否定しとかなくちゃ。
「あ・・・あの・・・あたしは・・・」
・・・京真の知り合いって言う?
・・・妹?・・・それとも親戚??
「俺の彼女だよ♪」
・・・へ?・・・あたしはずっと俯いていた顔を上げた。
京真もその声の先に顔を向ける。
・・・山井くん・・・?
「その子は俺の彼女。清楚な感じでいいだろ??」
「「きょ、恭介?!?!」」ケンタくんもヒロトくんも驚きを隠せない。
京真は・・・ポツリと・・・「意味わかんね・・」と言っただけだった。
「だ、よね!!・・んな訳ないかぁ!!京真はこういう子じゃなくて、今時ギャルが好きだしねぇ♪あたしみたいな??
ねぇ?京真♪ また前みたいにたまには相手してよ♪」