ふたりの恋
美容院を出て、恭介くんと駅まで歩く。
軽くフワッとパーマがかかった、ダークブラウンの髪が風になびく。
カラー液とパーマ液のちょっと鼻につくにおいが気になるけど、それよりも窓に映る自分の姿がとても嬉しかった。
「・・・リサ、マジ可愛くなったよなぁ」
恭介くんが少し照れた様子で言った。
「・・え?ホント?」
「うん、マジ。自信もっていいと思う!!京真、これから大変だぞ??ライバル増えちゃうかもな♪」
「ハハハハ・・・ないない」
京真、あたしの姿見たらなんて言うかな・・・
ちょっと楽しみ。
駅に着いて、恭介くんとホームで電車待ち。
夜7時を回ってるんだけど、まだまだ学生がいっぱいいる。
すると、数人の男の子たちが近寄ってきた。
「あれぇ??恭介じゃん??」
「おぅ♪シュン達じゃん♪今帰り??」
「そそ!さっきまでカラオケ行っててさ・・・ってか・・・誰??」
その恭介くんの友達はあたしに目を向けた。
「フフフ♪内緒♪」
「めっちゃ可愛いじゃん!!彼女?!?!っつうか、紹介しろって!!」
「ダーーメ!!お前らに紹介したらコイツ汚れちまうだろ?!」
「いいじゃんかぁ!!てか、俺、シュンね♪」
あたしは恥ずかしくて俯いた。
「出会った記念に携番とメアド教えてくんない??」
「ダーーーーメっつってんだろ?!」
恭介くんはバッとあたしの前に出て、あたしを隠した。
「うわぁ・・・ケチ恭介!!自分ばっか、可愛い子連れてさぁ。京真たちに言いつけたろ・・」
あたしは《京真》って言葉にビクンと反応してしまった。