ふたりの恋
次の日。
あたしは正門を通らずに裏門から入る。
なんとなく・・・
っていうか、もしかしたら、京真が正門にいるかも・・なんて期待したけど、
居なかったときの自分の落胆具合が想像できたから・・・
もし、正門に居たとしても何を話せばいいかわからないし。
「あれ?!リサ?!髪型変えたんだ?!」
「あ!祐美!おはよ!!うん、ちょっと気分転換に・・・」
「すっごく似合ってる♪可愛いよ♪やっぱ、彼氏の影響?!
・・ってか、昨日彼とは連絡取れたの?」
「あ・・ううん・・連絡してない・・・」
「・・喧嘩したとか??」
「喧嘩って訳じゃないんだけど・・・」
祐美とそんな会話をしてたら、他の子の会話が耳に入った。
「昨日のカッコイイ人、また正門にいたね♪誰かの彼氏かなぁ?」
・・・京真・・・?
急にあたしの鼓動が速くなった。
京真が来てるのかも知れない・・・
あたしは、すぐにポケットから携帯を取り出した。
【今どこ?】
京真のアドレスを出して、あとは送信ボタンを押すだけなんだけど・・・
その勇気があたしにはなかった・・・
「りさ??」
祐美が心配そうに顔を覗く。
「・・祐美・・ごめん。今日はホントに早退するね。なんか気分悪くなってきた・・」
あたしはそう告げて、教室を出た。
まだ、京真が居るかもしれない。
京真に会いたい・・・
ホームルームが始まるチャイムを聞きながら、あたしは正門に向かった。