ふたりの恋
「おいっっ!!恭介!!」
ケンタくんやヒロトくんの声を無視して、恭介くんはあたしの腕を掴んで店から連れ出した。
店を出て、暫く早足で歩き、恭介くんは止まった。
ふぅーーーーと息を吐いて、あたしの腕を掴む手に力が入る。
「・・なんか、ごめんな?」
恭介くんはあたしの方を見ないままポツリと言った。
「・・いいの。もう、いいの。あたしこそ、色々ごめんね。京真とあんな風にさせちゃって・・・」
「なぁ、リサ・・・」
「・・ん?」
「・・・あのさぁ・・・」
「うん?」
「・・・あ・・・ぁ・・やっぱいいや!!昼飯食いに行こうぜ♪」
恭介くんはあたしを見てニカっと笑った。
「美味いラーメン屋あるからさ!!」
「うん、お腹空いちゃったしね。」
「よし♪行こうぜ♪」
・・・アリガト。恭介くん・・・
あぁ・・・あたしの初恋が終わった・・・
さっきの京真の顔が浮かぶけど・・・
目をとじて頭をぶんぶんと横に振る。
・・・平凡な毎日にちょっと刺激があっただけ・・・
ただ、それだけ・・・
ふわっとあたしの茶色い髪が頬をくすぐった。