ふたりの恋


バカ女が、リサの事を「京真の彼女?」と聞いてきた時。



俺はわざと何も答えなかった。



リサが何と言うか聞きたかったから。



・・・リサの口からはっきり「彼女です」っていう言葉を聞きたかった。



リサは俯いたまま。



勝手に俺に付き合えと言われて、勝手に彼女にされて迷惑だったのか・・・



そういえば、リサの俺に対する気持ちは全く感じられなかったしな・・・




恭介が「俺の彼女」って言った時、何言ってんだよ!!ってぶん殴りたかった。



でも、俺は黙っていた。



勝手にリサの彼氏面していたのが、ケンタたちに知られたくなかったから・・・



今まで女に苦労したことない俺が、一人の女にあたふたしてるのを知られたくなかったから・・・



恭介が羨ましい・・・し、ムカツク。



リサをみんなの前から普通に連れ出すんだ。



俺だって、ホントはリサに俺の気持ちをぶつけてぇし。



独占したい。



コイツは俺の女だって、世の中全員に見せ付けたい。




女々しいな・・・俺。



リサの気持ちを確かめるようなまねばっかしてさ。



メールだって電話だって、自分からすりゃいいじゃん。



携帯を開けたり閉じたり、センター問い合わせしたり・・・



どんだけちっちぇ男だよ・・・



リサから連絡がない数日間、生きた心地がしなかった。



リサに会いたくて、リサに触れたくて、リサを抱きしめたくて



気が狂いそうだったのに。






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