ふたりの恋
あたしはポケットから携帯を取り出して開ける。
・・・あ・・・電源落ちてる・・・。
もしかして・・・京真から連絡入ってたかも・・・
「どうする?リサっち。京真に連絡する??」
ケンタくんは《京真》と出された携帯の画面をあたしに見せて聞いてきた。
・・・どうしよ・・・ホントにさっきあたしを追いかけようとしてくれたの??
ホントに??
「リサ!!あんなヤツにかけなくていいから!!」
恭介くんがその携帯を取り上げてケンタくんに手渡した。
ケンタ君たちは、一瞬視線をあたしたちからそらせて、ニヤっと笑う。
「・・必要ないみたいだね」
小さすぎる声で聞き取れなかったけど、すぐにその意味がわかった。
「恭介??誰があんなヤツだって??」
あたしと恭介くんの後ろから、低く落ち着いた声がした。
「ゲッッ!!京真っっっ!!」
「よぉ。恭介♪さっきはよくも俺の女を連れ出してくれたな・・・?」
・・・《俺の女》・・・??
「っつうか、リサ、なんで電話出ないんだよ?!」
「あ・・・電源落ちてて・・・」
「俺言ったよな?メールとか電話は頻繁にしろって・・。」
「・・・・・・」
「それに、なんで恭介に連れて行かれてんだよ?!」
「それはお前がっ・・・っ」
恭介くんが京真に話そうとした途端、恭介くんはケンタくんたちに腕を掴まれ、後ろに引っ張られて行った。
「・・・・・・」
「リサ、なんとか言え」
・・・あたし・・・なんだかわかんないけど・・・
物凄く・・・腹が立ってきた・・・
キレるってこういうことなのね・・・