ふたりの恋
泣くところなんか見せたくない・・・
あたしは俯いてギュっと手を握り締めた。
すると、フワッと大きな手のひらに顔を包まれて、グイっと上に向けられる。
視線の先には優しい顔をしたけ京真の顔があった。
「・・なんで、そういうことをもっと早く言わないんだよ?」
京真があたしを真剣な目でみて、あたしの目じりの涙をふき取ってくれる・・・
「え??」
「俺は・・・ずっとリサが俺の事を好きって言ってくれるのを待ってた。
なのに、リサは全くそういう態度も素振りもみせないから・・・」
「だって・・・京真だって・・好きって言ってくれなかったじゃない・・」
「俺はその代わりに学校に行ったり、膝の上に乗せたり・・リサに纏わりついてただろ??」
「そんなんじゃ・・わかんないよ・・・京真、浮気だってするし・・・」
「うぅ・・ソレを言われると辛いけど・・まぁ、それは・・・勢いっていうか・・リサが恭介と仲良くしてたから・・・その・・・アレだ・・・」
「ヤキモチ?」
「・・・そうとも言う・・・」
「・・・もうしない?」
「リサがいるからしない・・・」
「じゃぁ・・ちゃんと言って。」
「・・・一応聞くけど・・何を?」
「京真の気持ち・・・あたし聞いた事ないから・・・」
「仕方ねぇな・・・」
京真は、あたしをギュゥゥっと強く抱きしめた。
そしてあたしの耳元で小さい声だったけどはっきりした口調で言った・・・
「リサ・・・初めて会った時からリサが好きだ・・・」