ふたりの恋
広田くんは携帯片手に険しい表情で一歩一歩あたしに近づく・・。
あたしはバッグを盾にして一歩一歩後ずさる・・。
祐美はあたしたちのそんなやり取りを見てポカンとしている。
「コラ、りさ・・なんで約束守れねぇ?」
「・・って言われましても・・」
「ちゃんと連絡よこせって言っただろ?」
「・・・あの・・・ホンキ??」
「ちょっと!リサ!!誰このイケメン!!」
祐美は興味津々で聞いてくる。
「・・・わ、わかんないの。昨日いきなり・・・」
「《彼氏》だろ?なんで隠す?」
「か、か、か、か、彼氏?!?!」
祐美は発狂する・・・
「なぁ、りさの友達?りさ、今日学校サボって大丈夫?」
広田くんは祐美にバカな事を聞いた。
祐美はサボりとか嫌いだから絶対拒否してくれるはず・・・なのに・・・
「はい♪大丈夫でーーーす♪」
「ちょっと!!祐美!!」
有り得ないんですけど??
「んじゃぁ、決まり♪」
広田くんはそう言うと、あたしの腕をガッチリ掴んで連行しようとする。
「ちょっと待って!!祐美助けてよぉ!!」
あたしは祐美を見たけど、祐美はニッコリと笑いながら手を振った。