ふたりの恋
エレベーターに乗せられ、12階で降ろされる。
エレベーターを降りるとすぐ目の前にドアが一つ。
どうやらワンフロアー、1軒みたい。
広田くんは玄関の鍵を開け、あたしを中へと促した。
もちろん、あたしはすんなり入るわけもなく、玄関でフリーズ。
「何もしねぇから入れ」
広田くんはクスっと笑って言った。
《何も》って何のこと言ってんの?!
入って、一体どうするの?!
あたしは玄関でオロオロしているだけ。
「あぁ・・もう!!めんどくせぇ!!入れってば!!」
広田くんは明らかにイラっとした感じであたしを引っ張り込んだ。
「きゃっっ!!」
「俺が女を部屋に呼んで拒否ってんの、りさが初めてだわ・・」
広田くんはまたクスっと笑う。
「そ、そんなこと言われても・・・男の子の家って初めて入るから・・・」
「マジ??まぁ、いいから入れ」
「お邪魔します・・・」
あたしは観念して中に入った。