雨のち晴
「つーわけで、夏休み1日目から頼んだよ」
十夜はそう言い残して、
去って行き。
場に残ったのは、
訳が分かってないあたしと
恵衣と麗華のブーイングだった。
夏休み1日目。
何の予定も聞かされず、
とりあえずいつも通りに学校に
来るようにと先生からの連絡。
あたしは眠たい目を擦りながら、
日光がサンサンと照る中、
いつもと変わらない通学路を歩いた。
緑化委員なんて、やらなきゃよかった、
なんて思いながら。
「おっせーぞ」
ふとそんな声がして。
声の方を見ると、十夜がいた。
あたしが立ってる場所は校門を
少し入った所で、
十夜がいる場所は2階の
あたし達の教室。
「あとお前だけだから。3分で走って来い」
…さ、ん…ぷん?
てゆうか、まだいつもの時間より
20分も早いんですけど。
「早く」
ぼけっとしている内に1分が経ち、
あたしは声に驚いて
体が勝手に走り出していた。