雨のち晴
次の日の放課後。
いつも一緒に帰るやつらに
上手いこと言って、1人教室に残る。
めんどくせーな、おい。
なんて思いながら携帯を眺める俺。
そんなこんなで、30分。
下校時刻からそんだけ経ってりゃ、
さすがにいねーだろ。
俺はそう思いながら、
咲坂のクラスに向かう。
「十夜くんっ…、来てくれたの?」
けど、期待とは逆で。
ばりばり俺を待ってました感、
出まくりなんですけど。
って感じで。
俺は正直めんどくさくて、
帰りたくて。
「用ねーなら帰るけど?」
そう言ってやる。
何なんだ、こいつ。
来いっつったの、お前だろ。
なんて軽く突っ込んだとこで。
「もういい?」
そう聞いてみる。
すると、咲坂は焦って。
「あ、あのねっ」
「何?」
「付き合ってほしいですっ」
何回も聞いたセリフを吐く。
もう聞き飽きたんですけど。
「だから無理…、」
俺はそう言いかけて、
止めた。
何かごそごそしてるな、と
思ったら。
咲坂の手には。
「あたし…っ」