雨のち晴
「何、これ…」
あたしはようやく手を下ろし、
頭の上の何かを見た。
「あ、それ!」
恵衣は目をキラキラさせる。
「よかったね、朱里」
手の中にあった何かは、
紙パックのジュース。
しかも、あたしが
1番好きなやつ。
「あいつもやるよね~」
楽しそうにケラケラ笑う恵衣。
「さっきのお詫び、的な?」
麗華の言葉を聞いて納得。
多分そうだ。
ばかだな…あいつ。
あたしは少し照れながらも、
ストローを指し込み
少しずつ飲んだ。
何か変な感じだけど、
不思議といつもよりすごく
美味しく感じた。