雨のち晴
11話   ◇ただ苦しくて





「付き合うことに、なりました…」




「え!嘘!」




「まじで?」





文化祭後の休みも終わり。


学校で会った恵衣と麗華に、


1番初めにご報告。


想像以上に驚く2人。


そりゃ…そうなるよね。


驚く、よね。






「本当ごめんね。2人には迷惑ばっかかけて」





「何言ってんの!水臭いなぁ」





「でも…藤田は、いいの?」






心配そうな顔であたしを見る2人。


麗華の口から藤田と出て。


思い出さないわけなくて。





「ばか麗ちゃん!いいわけないじゃん!」




恵衣は麗華の肩をぱしっと叩く。


麗華は慌てて、ごめんと言った。





「とりあえず、あたしは諒司先輩を大切にしなきゃだから」





そう、あたしは諒司先輩と


幸せになるんだ。


あの日から毎日連絡がくる。


暇なの?ってくらいの、


メールの返信の速さと、


寝る前のなかなか切れない電話。


些細なことが嬉しくて、


諒司先輩の気遣いが胸にきて。


何か、大事にされてるって。


思うことが出来るから。





「それにしても報告遅すぎじゃない?」





「確かに!付き合って何日か経ってるでしょ?」





そう言われて黙り込むあたし。


本当はすぐ連絡したかったんだけど、


疲れて寝ちゃって。


休みの間に連絡しようとも思ったけど、


直接口で言いたかったし。


そんなあたしの気持ちを聞いた2人は、


仕方ないなぁと笑ってくれた。





「何かあったらまた言いなよね?」




「常に朱里の味方なんだからっ!」






こんな2人がいてくれる。


あたしはそれだけで、


本当に幸せ者。


嬉しくて嬉しくて。


泣きそうになったのは、


内緒の話。





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