雨のち晴
「でも何で今話してくれたの?」
「ずっと言おうとは思ってたんだけど。絶対恵衣も朱里も、言ったら協力してくれるじゃん。自分のことほったらかしにしてさ」
麗華はこういう子。
自分を、2番目、3番目に
考えられる、すごい子。
「でも、あたしも健で忘れられるかなって思ったけど。やっぱり自分に嘘付けなくて。だから同じような朱里見てて、今言うしかないって思ったの」
辛いのは、あたし1人じゃないんだな。
麗華も、辛かったんだな。
「恵衣は今幸せだから、まだ言わないでおこうと思う」
だから内緒ね?と、
綺麗に微笑んであたしを見る麗華。
言わないと約束を交わし、一息。
「今すぐじゃなくていいから。ちゃんと素直になりなよね」
「うん。ちゃんと考えてみる」
遅いね、恵衣。と。
何だかすっきりした、
あたしと麗華は、
他愛ないことで
笑い合った。
麗華がまだ関根を好きで。
だけどあたしや恵衣のことを
考えてくれている。
きっと麗華は嫌がるんだろうけど。
麗華の応援したい。
あたしなりに、
あたしが出来ることしかないけど。
麗華がしてくれてる分、
あたしもしてあげよう。
一緒に悩もう。
一緒に考えて、
一緒に乗り越えよう。
あたしと麗華と恵衣が
集まったら、
最強なんだから。