雨のち晴
「ただ今より、体育祭を開催します」
体育委員長の開会宣言により、
あたし達の体育祭は開幕された。
基準として、色別で行われる。
分かれ方は、3学年合同で1組は赤色。
2組は黄色。という感じ。
あたし達は3組のため、色は青色。
真っ青な色が今日の天気に合っていて、
頑張ろうという気持ちにさせてくれた。
「100m走に出場される方は召集場所に集まって下さい」
放送部の人によってかけられた
アナウンスを聞き、それぞれが動き始める。
「うげ、100mが始め…」
召集のアナウンスを聞き、
出場する恵衣はしぶしぶ腰を上げた。
あたしと麗華が、頑張ってと
エールの気持ちを込めて見送る。
「朱里、見て。藤田出るっぽいよ…、ほら」
麗華はあたしにプログラムを見せ、
あたしは素直にそれを覗き込む。
するとそこには“藤田十夜”と
名前が書いてあった。
「本当だ…、早いもんね、あいつ」
照れを隠すため、
精一杯素っ気無く言い放つと。