雨のち晴
















「ただ今より、体育祭を開催します」












体育委員長の開会宣言により、


あたし達の体育祭は開幕された。


基準として、色別で行われる。


分かれ方は、3学年合同で1組は赤色。


2組は黄色。という感じ。


あたし達は3組のため、色は青色。


真っ青な色が今日の天気に合っていて、


頑張ろうという気持ちにさせてくれた。
















「100m走に出場される方は召集場所に集まって下さい」














放送部の人によってかけられた


アナウンスを聞き、それぞれが動き始める。










「うげ、100mが始め…」











召集のアナウンスを聞き、


出場する恵衣はしぶしぶ腰を上げた。


あたしと麗華が、頑張ってと


エールの気持ちを込めて見送る。











「朱里、見て。藤田出るっぽいよ…、ほら」











麗華はあたしにプログラムを見せ、


あたしは素直にそれを覗き込む。


するとそこには“藤田十夜”と


名前が書いてあった。










「本当だ…、早いもんね、あいつ」









照れを隠すため、


精一杯素っ気無く言い放つと。







< 32 / 281 >

この作品をシェア

pagetop