雨のち晴
「騎馬戦に出る方は……」
「あ、あたしだ」
騎馬戦と聞き、
急いで召集場所に向かう。
体育の授業で1度試しに
やってみたけれど、
案の定上手くいくはずも無く。
いつも相手の帽子を取れず、
取られるだけの大敗を
飾らないことはなかった。
「早く終わって欲しいね…」
「ほんとだね」
「ま、頑張っていこ!高原さん、いっぱい帽子取ってこ!」
「は、はい…、頑張ります」
あたしはというと、
何故か上に乗って帽子を取るという
大役を任される羽目になっている。
理由は簡単。
たくさん取れそう、だという
多数決で決められた。
絶対無理だ、取れないと
主張しても、上手に
言葉に丸め込まれ今日に至る。