雨のち晴



















「騎馬戦に出る方は……」










「あ、あたしだ」











騎馬戦と聞き、


急いで召集場所に向かう。


体育の授業で1度試しに


やってみたけれど、


案の定上手くいくはずも無く。


いつも相手の帽子を取れず、


取られるだけの大敗を


飾らないことはなかった。















「早く終わって欲しいね…」







「ほんとだね」






「ま、頑張っていこ!高原さん、いっぱい帽子取ってこ!」






「は、はい…、頑張ります」















あたしはというと、


何故か上に乗って帽子を取るという


大役を任される羽目になっている。


理由は簡単。


たくさん取れそう、だという


多数決で決められた。


絶対無理だ、取れないと


主張しても、上手に


言葉に丸め込まれ今日に至る。

























< 36 / 281 >

この作品をシェア

pagetop