雨のち晴











「何出るの?」










「色別リレー。勝手にメンバーにされた」















勝手に、なんて


ぶっきらぼうな言い方して。


だけど皆が自分に期待してる、って


本当は分かってるんでしょ?


なんて言ったら、


話さなくなっちゃうから。


あえて言わないでおくことにした。



















「ま、お前怪我したけどさ」















でもね。


やっぱり、意地悪


言っておけばよかった。

















「テントの1番前、取っとけよ」

















十夜って男は。


本当に傲慢で卑怯で、


どうしようもなる愛くるしい。


















「どう、して?」











「決まってんだろ」


















ほら、また。


好きになっちゃったじゃん。



















「色ちげーけど、応援。俺の応援、しろってこと」











以外にもまじめに言ったりするから。


こっちが恥ずかしくなって。


顔を赤らめてしまった。












「何言ってんの…、他の色応援したって、意味ないじゃん」












そう、素っ気無く


言ったあたしだけど。












「それもそうだな」














間違いなく、十夜を応援するよ?


誰より1番前に出て。


誰より1番大きな声で。


“十夜”って。


名前、呼んでもいい?


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