雨のち晴
「朱里!…大丈夫!?」
「よかった…元気そうで」
テントに戻ると、
真っ先に恵衣と麗華が
駆けつけてくれた。
あたしは大丈夫だよ、と言って
十夜の背中から降りようとした、時。
「中山、こいつのイス…持ってきて」
「は、何で?」
「いいから、早く」
十夜は何も言わせないように、
そう言い切るとテントの前に
あたしをおぶったまま進んでいく。
恵衣は指示された通り、
あたしのイスを持ってきてくれた。
「ちょ、っと…十夜、何すんの?」