雨のち晴
5話 ◇どうしてあなたは.
「テスト、やばいって」
「恵衣、いつもそれでしょ」
3人並んで玄関を目指す。
もうすぐ期末のテストで、
さっきまで勉強してたんだけど。
まだ分からない所だらけ。
「明日からなんだし、もう腹くくりなさいよ」
麗華は秀才だから、
何でも出来ちゃう人。
あたしは普通だから、
出来具合も普通。
恵衣は頭が悪いわけではないのに、
数学だけが大の苦手で。
「麗ちゃん、そんなこと言わないで!夜、家行っていい?」
「はいはい、分かってる。恒例だもんね」
麗華と恵衣は家が近所で、
テスト前になると麗華の家に
入り浸りで、勉強を教えてもらっている。
「じゃあ、また明日ね」
あたしは2つに分かれている道を
右に進む。
いつもここで、2人と分かれる。
そしてここから、
今日はこんなことあったなとか。
そんなことを考える。
「あ、そうだ」
いつも通るコンビニの前で、
ふと思い出す。
今日は、毎月買っている
雑誌の発行日。
あたしは急いでコンビニに入ると、
雑誌のコーナーに立ち寄った。
「あったっ」
目に付いた雑誌を手に取ると、
ついでに飲み物も手に取って
レジに並んだ。